2009年12月1日火曜日

今年の漁の振り返り-その2-

夏の終わり頃の夕方に鮎を捕っている時の話です。
結構、漁場が川岸に近い場所あります。川原から見下ろせる感じで。その場所で鮎漁をしていると犬の散歩やウォーキングしている人たちから、時々声を掛けられます。
「何が捕れるのですか?」「沢山捕れましたか?」・・・たぶん、前者は何が居るか本当に知らないようで、捕まえた鮎を手につかんで見せてあげると、みんなビックリした顔をします。後者は、私が鮎を捕っていることを知っていて、”今日の成績はどうかね”と言った、ちょっと試されているような声掛けに聞こえます。ほとんどの場合の答えは、”今日はダメです”か”ボチボチです”といった曖昧な返事をしています。
さて、その日は小学生(3~4年生位)を連れたおじいさんから声を掛けられました。話しを要約すると、「孫が投網で魚を捕っている人を見て、自分もやりたいと言い出して、明日にでも投網を買いに連れて行け!とせがまれている」そうです。そこで、「投網は大人にならないと扱えないくらい重くて難しいものだから、まだ無理だと言っているが、孫は聞く耳を持たない。孫に説明してやってくれないか」と小学生の孫の説得を頼まれた訳です。
川の外だったら親切丁寧に説明してあげたのですが、川の中では少々性格も変わるようで、更に、目の前に鮎が居て、時間に余裕が無い時だったので、はっきり言って迷惑だったのですが、そのおじいさんの真剣さに負けてしまい、小学生に説明と言うよりは説教をしてしまいました。その部分も要約すると、「おじいさんが言ったように、この網は本当に重くて高校生くらいになっても、簡単には使えない。それに網を投げるのも難しくて、誰かちゃんと先生がいないとまず丸く開かない。つまり、魚は捕れない。それから、川のどの場所に魚が居るかは、自分の足で歩いて、持っているタモで捕まえる事でしか覚えられない。だから、おじいさんの言っている事はおじさんもその通りだと思うよ!しっかり勉強して、運動して、大きくなってからでも遅くないと思うよ。おじさんも始めたのは、高校生の時だよ。」とか何とかいろいろと話しをしてあげたら、一応納得したみたいで、おじいさんからお礼を言われて二人で帰っていきました。
確かに”投網”は一網打尽のイメージがあり、また、見た目には簡単そうなので、小学生くらいで自分で魚が捕れない子供には魅力的に見えたのでしょう。わかる気がしますが、やはり、まだ無理です。

これから始めたいと思われている大人の方が居れば、子供に言ったように、体力、技、そして川を見る目(経験)が必要です。うちの息子達に言わせると、3番目の経験だけは絶対に私(父親)には勝てないといつも言います。小学生よりも前から勉強もせずに川で遊んでいた経験(既に40年以上)は、まだ誰にも負ける気がしないのですが・・・。

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